- 更新日
- 2024.12.05
【GMAC通信】需要開拓のターゲットは大学生
東京オリンピックを機にアーバン スポーツ( スケートボード、スポー ツクライミング、ブレイキン、バス ケの3×3など) が脚光を浴び、そ れらの施設や若者のプレー人口が急 増している。その要因は気軽さ、音 楽やファッション、低コスト、個人 競技であることに加え、近所に施設 があり、身近にメダリストがいるこ とも大きい。さらにミスをしたら声 を掛け合い、大技が決まれば自分の ことのように喜ぶ仲間意識などが、ア ーバンスポーツの人気の源泉となっ ている。
一方、サッカーや野球は、日本人選手が世界の檜舞台で活躍していながら、競技人口は減少しており、一番の要因は少子化である。
ゴルフはどうだろうか? 実は、大 学の体育授業ではゴルフの人気が高 く、全国で延べ580の授業でゴル フが採用され、年間数万人の学生が 受講している(大学ゴルフ授業研究 会調べ)。人気の理由は、「社会人になってから役に立ちそう」「皆初心者で同じスタートラインから学べる」「何歳になっても楽しめる」ということがあげられている。
そしてゴルフを履修した学生の一部が「Gちゃれ」というプログラムでゴルフ場を初体験しているが、その規模はまだ小さく、関東ではGMG八王子ゴルフ場と八王子カントリークラブ、関西では有馬カンツリー倶楽部が会場を提供し、サポートしてくれている。
NGKとしては、今後会場を提供してくれるコースを増やすとともに、大学とのマッチングがうまく機能するように努力したい。
ゴルフにおけるジュニアの育成は道のりが長く、成果が確認しにくいことが難点だが、大学生はまもなく社会人生活をスタートするため、ゴルフ授業の履修者や「Gちゃれ」体験者をゴルフ場や練習場、インドア、そしてスクールに上手に誘導できれば、本格的にゴルフを始める確率は高いと思われる。若者需要の創造に向けて、注力すべきポイントであることは間違いない。
さて、ゴルフ関連の団体は、各地域のゴルフ協会も含めれば、その数は千を超えると推測されるが、大半は競技を主体とする団体である。また、ゴルフの普及を目的に掲げる団体も多いが、新規ゴルファーの開拓に向けて人的リソースや金銭的リソースを費やしている団体はごく僅かにすぎない。
各ゴルフ場は関連団体に対し、合 わせて年間約百万円の会費( 来場者 からの預り金含む) を既に支出して いるが、大半は競技のために費やさ れる反面、その競技ゴルファーが近 年漸減している。新規開拓を重視す れば配分の見直しも必要だろう。
今後は全ての団体がゴルファーの新規開拓に的を絞り、裾野を広げるために徹底的に議論を重ね、本腰を入れてゴルフの普及に努めるべきだと考える。
日本ゴルフ場経営者協会 NGK
会長 手塚寛
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この記事は月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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