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更新日
2024.11.05

【GMAC通信】暑さ対策はナイターゴルフ?

この数年、年を追うごとに夏が暑くなってきている。ウェザーニュースによると、2024年の夏の期間(6~8月)の平均気温偏差はプラス1・76度で、平均気温は速報値で昨年と並んで過去最高となった。月別でも7月が過去1位、6月と8月が過去2位の高さで、夏の期間を通して気温が高かった。

厚生労働省の「職場における死傷災害の発生状況(速報値)」(都道府県労働局が把握した休業4日以上の死傷者数)によると、7月は188件で、7月単月では最多で、前年同月の148件を大きく上回っている。今年の暑さが熱中症のデータにも明確に出ている。

JGJAではこのような状況の中で、7月23日に「ナイターゴルフは熱中症対策になるか」をテーマに、千葉県のムーンレイクGC市原コースで勉強会とナイターゴルフの体験会を実施した。ゴルフ場、スポーツ施設のLED照明を開発・販売・施工している株式会社スリーエスの櫻木邦善会長にLED照明設備の現状や設備費用などについて、また同ゴルフ場の滝口和祐支配人、PGMマーケティンググループ須貝隆グループ長に話を聞いた。

LED照明について櫻木会長は「照明で昼間と変わらないプレー環境を提供することができ、プレー人口を増やしていける」。滝口支配人は「市原コースの年間ラウンド数は8万2000人で、そのうちナイターは2万8000人です。夏場はナイターの方が料金を若干高くしている」とのことであった。

日没後、ナイターゴルフを体験したが、当日、市原市は全国最高気温39度を記録していた。緑に囲まれた夜のゴルフ場は風が吹いていて、昼間の暑さを感じさせず快適であった。LED照明が当たっているFW、グリーンは問題なくプレーできた。また、光るボールを試したが、技術の進歩で予想以上の明るさであった。

大手メーカーもこの分野に力を入れてほしい。

ただ、ナイター設備のコストは18ホールの新設で4億円程度で、ナイター設備のあるゴルフ場は日本で15コースと少ない。ナイターの需要が高まれば、光るボールの技術開発が進み、それを補う可能性を感じた。暑さ対策としてナイターゴルフの有効性をもっとPR、施設数やナイター対応技術を増やす必要がある。

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この記事は月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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